塩野義製薬がアトピー性皮膚炎の「かゆみ信号」を遮断する新薬候補の患者向け臨床試験(第2相治験)を国内で始めたようです。
アトピー性皮膚炎は体内のアレルギー反応などで起きるが、現在では有効な医療用医薬品は外用ステロイド剤にほぼ限られています。
かゆみを止めれば症状の悪化を抑えられる場合は多いとみられ、早期の製品化を目指して開発を進めるそうです。
~以下、記事引用~
この新薬候補は「S―444823(開発番号)」。手や顔など、アトピー性皮膚炎の患部に塗って使う。
体内の神経に存在し、痛覚や免疫反応などとの関連が強い「カンナビノイド受容体」に働きかける効果が期待されている。
アトピー性皮膚炎の患者の体内ではアレルギー反応などで炎症が起き、かゆみ信号を発する神経伝達物質が生まれる。
その信号が脳に届いた段階で手や顔などにかゆみを感じる仕組みだ。
体内の信号伝達経路は完全には解明されていないが、カンナビノイド受容体を経由している可能性が高いと塩野義はみている。
痛覚や炎症などにかかわるカンナビノイド受容体で信号を止めれば患者はかゆみを感じないほか、炎症も緩和できる可能性があるという。
アトピーを発症すると無意識に患部をかきむしり、皮膚を傷つけて症状を悪化させる場合が多いとされる。
S―444823は塗り薬のため、手や顔など患部だけに効果を限定してかゆみを抑え、治療の成功確率を高めると同社はみている。
塩野義によればステロイド剤は炎症を抑える一方、かゆみを止める効果が弱いという。
444823を発売できれば治療の選択肢が広がる。
年内には第2相治験の前半部分を終える方針で、2014年末までに製造販売承認の申請を目指す。
同社推定では、日本には約600万人のアトピー性皮膚炎の患者が存在し、治療に使う外用薬(塗り薬)の市場規模は約350億円という。
大部分がステロイド剤とみられ、新薬発売は市場拡大も促しそうだ。
引用元:日経産業新聞
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