2009年7月6日月曜日

DNA1本で解読可能=高速化、捜査に応用も

PCR法を使わずにDNA一本で塩基配列が解読できる技術が確立されたそうです。将来は、基礎実験の手法にも応用されるかもしれません。

わずか1本のDNAでも塩基配列を解読できる技術を、大阪大産業科学研究所の川合知二教授と田中裕行助教が確立した。試料が少なくても高速の解読が可能になり、犯罪捜査に応用が可能という。5日付の英科学誌「ネイチャー・テクノロジー」(電子版)に掲載された。

 DNAは細胞核に含まれ、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類の塩基(化学物質)が鎖のようにつながっている。2本1組でらせんを描き、塩基の並び方が遺伝情報を表すため、「生命の設計図」とも言われる。

 従来の方法では、塩基配列の解読に大量のDNAが必要だったが、田中助教は斜め45度に傾けた銅基板にDNAを含んだ水を噴霧し、1本のDNAをほぼまっすぐに伸ばす方法を開発。走査トンネル顕微鏡を使い、特殊な針で電流を流しながらDNAをなぞり、グアニンの識別に成功した。

 DNAが1本なので解読が高速になり、必要な部分の「飛ばし読み」も可能。ほかの塩基を判別する研究も進めている。

 犯罪捜査などのDNA鑑定では試料が少ない場合、DNAを増幅させる遺伝子検査(PCR)が行われてきた。川合教授は「PCRは増幅過程で間違いが起きやすい。1本を直接解読できれば増幅の必要がない」と話している。 

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