2009年7月6日月曜日

C型肝炎の薬物療法(効果、患者ごとに事前予測)

治療予測にデータマイニングという手法を取り入れた研究がなされているようです。
治療前に効果予測ができれば、無駄な治療の防止にも役立ちますね。
C型慢性肝炎の治療薬の治験についても、関わってくるのではないでしょうか。

■慢性C型肝炎の患者ごとに薬物療法が有効かを予測する手法を、厚生労働省研究班が開発した。

 マーケティング分野で普及している「データマイニング」と呼ぶ分析法を応用した成果で、血液やウイルスの検査データをもとに予測する。治療方針の検討や、患者ごとに最適な治療を施す「オーダーメード医療」の実現に役立つ。データマイニングを治療予測法の開発に応用する動きがほかの病気でも出てきそうだ。  

 開発したのは武蔵野赤十字病院(東京・武蔵野市)の泉並木・副院長を研究代表者とする研究班。成蹊大や大阪大、虎の門病院(東京・港)、東京医科歯科大、山梨大、名古屋市立大の専門家が参加した。  C型肝炎はウイルスの感染で起こる病気で、肝臓がんの最大の原因。国内推定患者数は200万人。治療はペグインターフェロンとリバビリンという2剤の併用が基本だが、患者の半数しか効かない。現状では治療効果の事前予測は難しい。

 研究班は、日本人に感染者が多く、治りにくいとされるタイプのウイルス(遺伝子型1b)に感染した患者約1100人の様々な検査データを分析し、2剤併用治療の有効性を予測するのに有効なデータを探した。  分析にはデータマイニングを活用。その結果、血液検査のALTや血小板数、肝臓がん診断に使われるAFPの値が、治療効果に関係していることを突き止めた。これらの値と患者の治療結果の関係を調べたところ、ウイルスが体内から消える確率(治癒率)が70%以上期待できる群と、逆に20%程度しか期待できない群がそれぞれ3割に上り、治療予測に役立つことが分かった。

 さらにウイルスの遺伝子を調べると、より精密に予測できることも分かった。ISDRという遺伝子の部位に変異が2個以上あると8割が治るが、1個以下だと4割に下がった。ただし1個以下でも別の部位に変異が起きてなければ、治癒率は6割を超えた。

 研究に参加した武蔵野赤十字病院の黒崎雅之・消化器科副部長は「治癒率が高いと予測した患者は2剤併用で積極的に治療し、低い患者は将来のより効果が高い別の治療法の開発を待つなど、治療法選択の手掛かりになる」と話す。新手法はすぐに臨床で使えるため、一般医にも普及させたい考えだ。

▼データマイニング
→データ分析法の1つで、膨大なデータを分析し、かかわりがないと思われる検査項目同士の関係を見つけ出すのに役立つ。この手法でスーパーの販売データを分析し、紙おむつと缶ビールを同時に購入する顧客が多いことが分かり、近くに並べたら販売が増えたなどの成功例がある。ビジネス分野で普及している。


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