先日、承認取下げに関するニュースがありました。
承認取得し製造販売を行っていた「メドウェイ注5%」が、承認申請時にデータを改竄していたことが発覚し、承認取り下げに至ったとのことです。
この事例のように、承認を取得した医薬品であっても信頼性が確保されていないデータと判明した場合には承認取り消しとなり、会社に多大な損害を与えるだけでなく、社会からの信用の失墜という大きな痛手を受ける事になります。
(1)「メドウェイ注」とは
本剤は1981年に開発を開始し、1997年の承認申請から10年かけて2007年10月にやっと承認を取得した品目であり、厚労省としても血液製剤の国内自給率を上げる為の方策の1つとして期待されていた遺伝子組換え人血清アルブミン製剤。
(2)違反内容と経緯
申請時、製造会社である連結子会社のバイファにおいてのデータの一部に改竄があった。
2007/10 人血清アルブミン製剤「メドウェイ注5%」及び「メドウェイ注25%」の承認取得。
2008/5 発売開始(3年程度かけて1万例の製造販売後調査を実施し、安全性を十分確認した上で普及させるとしてあまり広くは流通させていない模様)
2008/末 5%製剤の有効期間延長のための一変申請資料において安定性試験データが差換えられていることがバイファ社にて判明。追加試験で差し換えの事実を確認。
2009/1 5%製剤の一変申請を取り下げ。
これを契機にその他の試験項目について、詳細な調査を行ったところ5%製剤の製造販売承認申請に係る、医薬品GMP適合性調査のための実生産バリデーション(2005年実施)において、アレルギー反応(ラットのPCA反応試験)「陽性」の結果を「陰性」のデータと差換えていた事が判明。他の試験においても試験手順書から外れて実施されていたものがあることが判明。
2009/3 5%製剤の製造販売承認取り下げと「5%製剤」及び「25%製剤*」の自主回収を決定。
(*「25%製剤については違反行為は確認されていないが、「5%製剤」と同一時期、同一製造所で実生産バリデーションが行われたものであることから回収を決定)
プレスリリース
⇒http://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=../release/nr/2009/medway_MTPC090324.html
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