2009年4月7日火曜日

プレパンデミックワクチンに有効性-厚労省研究班

プレパンデミックワクチンの研究が進んでいるようです。

先日、鳥インフルエンザが初めて野生哺乳類に感染したとのニュースがあり、人間への感染の可能性が現実味を帯びてきています。

■新型インフルエンザのプレパンデミック(大流行前)ワクチンの安全性や有効性を研究している厚生労働省の研究班(研究代表者=庵原俊昭・国立病院機構三重病院院長)は4月6日、臨床研究において期待される有効性や安全性が出たと発表した。

 研究班は昨年8月から、プレパンデミックワクチンの有効性や安全性について臨床研究を行ってきた。対象者は、H5型インフルエンザワクチンの接種歴のある人や妊娠中の女性など「除外基準」に該当しない検疫所、地方入国管理局、実施医療機関などの職員合わせて5971人。このうち5561人はワクチンの安全性を、残る410人は有効性について検証した。
 有効性を調べた410人のうち200人は、今回初めてプレパンデミックワクチンを接種し、接種したワクチンの抗体価の上昇が確認された。
 その他の210人は、2006年の治験時にプレパンデミックワクチンの接種を受けている人。今回の臨床研究で、06年とは違う株のワクチンを接種した結果、交叉免疫性が認められた。
 安全性に関しては、5561人のワクチン接種者のうち、接種後30日までに入院となった「有害事象」は8人。このうち2人に現状では因果関係が想定されている。また、ワクチン接種後に37.5度以上の発熱を起こした人は2.8%だった。さらに、71.0%の被験者に、ワクチン接種部位に「発赤、腫脹、疼痛、熱感、かゆみ」の局所反応が、34.1%に「頭痛、倦怠感、鼻水」の全身反応が見られた。
 発熱、局所反応、全身反応とも若年者で割合が高く、局所反応、全身反応は女性に多かった。
 
 厚労省の担当者によると、今後はプレパンデミックワクチンの事前接種をテーマに、新型インフル専門家会議を6月までに開き、その後、厚生科学審議会の感染症分科会で検討する予定。

【抗体価】
 抗体の量を示す指標。一般に抗体価が高いほど、発症防御力や感染防御力が高いと考えられている。
【交叉免疫性】
 類似性の高い抗原に対し、免疫を示すことを交叉免疫という。交叉免疫性とは、ある遺伝子型のワクチンによって誘導された免疫が、遺伝子型が異なる株に対しても示す免疫性。

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