問題:クロスオーバー用量-反応試験に関する説明について、誤っているのはどれか。
1)試験を実施するにあたっては、持ち越し効果がないことを検証する必要がある
2)個々の患者の試験期間が極めて長くなる
3)並行群間比較デザインと比べて必要な患者数が多い
4)個々の患者の平均的用量-反応曲線の分布を推定することができる
5)試験を実施するにあたっては、時期と治療の交互作用について考える必要がある
正解:1)並行群間比較デザインと比べて必要な患者数が多い
【解説】
医薬品の効果が速やかに発現し、かつ治療中止後患者が基準値の状態にすぐ戻り、また反応が不可逆的でなく、患者がほどよく安定しているならば、種々の用量を用いた無作為多時期クロスオーバー試験を有効に利用することができる。ただし、持ち越し効果がないことをどう検証するか、あるいは、時期と治療の交互作用をどう考えるか問題がある。このデザインの利点は、いずれの個体に対しても数種類の用量が投与されるので、母集団の平均的用量-反応曲線の分布だけでなく個々の患者の用量-反応曲線の分布も推定できること、及び、並行群間比較デザインと比べて必要な患者数が少ないことである。
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