制度について「知っている」と「名前は聞いたことがある」には、認識に大きな違いがあると思いますので、認知度8割という結果は少し誇張だと思います。
臨床試験(治験)にも適用される制度なので、医療関係者の認知度を上げることが治験中に起きた健康被害の救済につながることと思います。ただし、この制度を利用する際には「“真に”知っている」必要があり、間違った解釈をして、この制度を安易に(真に必要な場合を除き)治験依頼者に求めるべきではないと個人的には思います。あやふやな知識で制度を乱用されることを危惧します。
■独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)はこのほど、同機構が運営する「健康被害救済制度」に関する認知度調査の報告書をまとめ、公表した。
調査は、全国の医療関係者を対象に7月24日から8月4日にかけて、インターネットを通じ実施。3438の有効回答を得た。対象は医師1032人、薬剤師1035人、看護師1053人、歯科医師318人。
健康被害救済制度を知っているかたずねたところ、全体では「知っている」が37.2%、「名前は聞いたことがある」が42.8%で、認知度は8割だった。職種別では、薬剤師の認知度が最も高く96.7%(「知っている」68.9%、「聞いたことがある」27.8%)、医師が85.4%(35.8%、49.6%)、看護師61.0%(11.9%、49.1%)、歯科医師71.4%(22.6%、48.7%)だった。
また、同制度の運営主体についての問いでは、正しくPMDAと答えた人が47.2%と最も高かったが、厚生労働省とする人も41.1%に上った。薬剤師では66.6%が正答だったが、医師の正答率は44.7%と半数に満たず、歯科医師は38.8%、看護師は19.3%にとどまった。
また、同制度の内容の認知度については、「医薬品の副作用の被害救済を目的とした公的制度である」80.5%、「医薬品の適正使用で発生した副作用による健康被害に対し救済給付する」78.9%と約8割となったが、「入院が必要な程度の健康被害の救済を行う」(45.4%)、「すべての医薬品が対象となるわけではない」(37.5%)、「給付にはいくつかの種類がある」(32.3%)、「製造販売業者の賠償責任が明らかな場合は対象とならない」(32.2%)、「給付には種類ごとに請求期限がある」(21.1%)はいずれも半数を下回った。
同制度とかかわった経験について、「ある」人は6.9%。薬剤師が最も多く9.4%で、なかでも病院・診療所勤務の薬剤師は12.8%と高い。医師は8.3%で、歯科医師(4.8%)、看護師(1.9%)と続いた。(2009/10/02 キャリアブレイン)
にほんブログ村
0 件のコメント:
コメントを投稿