統合失調症、神経細胞以外も原因の可能性

統合失調症に対して新しい機序で治療できる医薬品の開発が予想されます。

■脳神経の障害で起きるとみられる統合失調症の原因が神経細胞以外にもある可能性を、自然科学研究機構・生理学研究所（愛知県岡崎市）のチームが動物実験で突き止めた。神経細胞を支える「グリア細胞」にわずかな異常が起きると痛みなどの感覚が混乱する。統合失調症の新たな治療法の研究に役立つという。米神経科学会誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンスに掲載された。

　同研究所の田中謙二助教らが、グリア細胞と神経が接する部分に異常のあるマウスの脳を電子顕微鏡で観察して見つけた。マウスに弱い音と強い音を連続して聞かせると、通常は強い音に慣れて大きく反応しなくなる。だが、グリア細胞に異常があると、どの音にも強く驚く反応を示し、統合失調症の症状を示したという。


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