2009年6月15日月曜日

新型インフル薬の開発は?

国内でもインフル薬が近い将来に販売されるようですね。
塩野義製薬を筆頭にして、第一三共も開発しているそうです。

■世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの世界的大流行を宣言した。日本でも、冬季に向けて再び流行する懸念がある。製薬業界の備えは十分か。輸入に頼るタミフル、リレンザに続き、国産で「第3のインフル治療薬」の開発を進める塩野義製薬の手代木功社長に聞いた。
 
 ――新型インフルエンザが冬場に改めて流行する可能性はあるか。
 「夏に向かって気温が上昇し、梅雨で湿度も高まる日本では、当面の流行は終息しつつある。しかし冬に向かう豪州など南半球では感染が拡大しつつある。日本でも冬季に再流行することは十分にありうる。今回の流行は関西が中心だったが、東京で感染が広がれば日本経済全体に悪影響が出る恐れもある」
 
 ――日本全土で流行した場合、治療薬は足りるのか。
 「国内にはタミフル4千万人分、リレンザ300万人分弱の備蓄があるとされている。ウイルスがタミフルやリレンザへの耐性を持たず、感染力が今の程度なら治療薬が不足することはないだろう」

 ――タミフルなどに耐性を持つウイルスが出現することを懸念する声もある。
 「ウイルスが変化する感染症の治療では、薬の選択肢を常に増やしていくことが重要だ。当社が開発中のインフル治療薬『ペラミビル』は、年内にも厚生労働省に製造販売承認を申請する。現在の状況に対応して厚労省は素早く審査してくれると期待しており、2010年の9~11月には発売したいと考えている」
 「この薬は、タミフルに耐性を持つウイルスや強毒性のH5N1型の鳥インフルエンザウイルスにも効果が期待できる。タミフルやリレンザは口から摂取する薬だが、ペラミビルは静脈に注射する点滴剤。重い病気で入院して体力が落ちている人や高齢者、小児など口から薬を取りにくい患者にも投与しやすい」

 ――新型インフルの流行に備え、ペラミビルをどの程度生産するか。
 「生産量は今後検討するが、タミフルほどの量は必要なく、リレンザと同程度の300万人弱を確保できればいいと考えている」

 ――インフル薬は流行の規模で売上高が毎年増減し、収益が安定しにくいとされる。
 「確かに、安定した収益を生み出すことが期待しにくい薬だ。ペラミビルの場合も、見込める売上高は流行が大きい年で70億~80億円、通常期に年間40億~50億円とぶれが大きい。だが、感染症薬を長年販売してきたメーカーとして、医療現場の需要に応えていくことが大切だと思う」

 タミフルとリレンザはともに輸入に頼っており、新型インフルエンザが世界的に大流行した場合は日本での供給に不安がないわけではない。その点で塩野義製薬による国産インフル薬の発売は、流行への備えとして重要だ。

 国内では第一三共も、年内にもインフル治療薬を厚生労働省に申請する。今年の冬は備蓄のタミフルとリレンザで対応できそうだが、ウイルスが変化して既存の治療薬が効かなくなる場合に備え、臨床試験の結果解析など、申請に必要な作業を素早く確実に進める必要がある。
(2009/06/14 日本経済新聞)

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