2009年6月1日月曜日

インフルエンザ 人類脅かし続けるウイルス

ここ最近、新型インフルの話題のニュースが飛び交っていますが、インフル全般を分かりやすく解説したニュースがありました。
RNAポリメラーゼ阻害剤が、期待の新薬になりそうです。

■メキシコに端を発し、日本でも感染が拡大する新型インフルエンザ。毒性は季節性のインフルエンザと同程度とみられるが、新型の出現はいつの時代も人類を脅かす。自力で増殖できないウイルスは、新型への変異を繰り返しながら、人の免疫機構やワクチンの防御網をかいくぐってきた。インフルエンザの型の違いや感染・増殖の仕組みのあらましを紹介する。

■144種類

 インフルエンザウイルスは、直径が1万分の1ミリほど。タンパク質の殻の中に、8本のRNA(リボ核酸)を遺伝子としてもっている。殻の表面はHA(ヘマグルチニン)とNA(ノイラミニダーゼ)という2種類の突起状のタンパク質で覆われている。H1N1などのウイルスの型は、突起状タンパク質の違いを示している。

 ウイルスが人に感染するときは、HAが人の細胞表面の糖タンパクに結合して細胞内に入り込む。一方のNAは、ウイルスが別の細胞に移るときにウイルスと細胞を切り離す働きを持っている。

 人類にとってやっかいなのは、HAとNAがともに変異を起こしやすいことだ。HAは16種類、NAは9種類が存在するので、その組み合わせだけで144の型に分けられる。そのうえ、同じ型のウイルスでもHAやNAを構成するアミノ酸に変異が生じる。

■いたちごっこ

 感染を予防するワクチンや増殖を阻害する抗インフルエンザ薬タミフルは、ウイルスの型に合わせて作用する。型が違ったり、HAやNAが新たな変異を起こした場合には効果がなくなるのだ。

 たとえば、今回の新型インフルエンザはソ連かぜなどと同じH1N1型だが、従来のワクチンは効果がなかった。また、1997年に人への感染が確認された強毒性のH5N1型では、タミフルが効かない耐性ウイルスが現れている。

 致死率が0・1%程度の弱毒性でも、1000万人が感染すれば死者は1万人に達する。

 ウイルスの変異とワクチン、新薬開発のいたちごっこに終止符を打つことはできないか。

■複製機構

 横浜市立大大学院の朴三用准教授らは、遺伝子の複製にかかわるRNAポリメラーゼというタンパク質に着目した。

 ウイルスは構造が単純で遺伝子も少ないため、自己増殖の能力を持っていない。侵入先の細胞のシステムを利用して、遺伝子を複製することで増殖が可能になる。このときに働くのがRNAポリメラーゼ。ウイルスが、わずかな遺伝子で生き残るための要ともいえる。

 「RNAポリメラーゼは、HAやNAと違ってほとんど変異しない。ウイルス自身の設計図である遺伝子の複製に直接かかわるため、特に重要な部分ほど変わらない」と朴さんは説明する。

 RNAの働きを阻害すれば、ウイルスの型に左右されずに遺伝子の複製と増殖を止められる。

 朴さんらの研究グループは、すでに3つの部品から成るRNAポリメラーゼの結合部の構造を解明。その結晶を宇宙空間で生成するため、7月からは国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」での実験がスタートする。
(2009年6月1日 産経新聞)


↓インフルエンザ発症の仕組みの図
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/science/260693/slideshow/188192/

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日常でこれを使う状況がないことを祈ります(まさかの時の準備ですね)。

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