2009年5月27日水曜日

免疫細胞の分化・増殖の仕組み解明

 「プロスタグランジン」の薬剤は、かなり昔に開発されており、腎疾患や肺動脈高血圧症などありますが、これからも適応拡大の可能性を秘めている物資だと思います。

 生理活性物質(IFN、IL、TNF等)は体内で合成されるものなので、未知の生理作用を秘めたものだと思います。

■京都大学の成宮周教授らは体の免疫システムで働く細胞が分化・増殖する仕組みを突き止めた。

体内の生理活性物質「プロスタグランジンE2」が細胞の特定個所に結合すると、分化や増殖を促した。 免疫が過剰に働くなどして起こる多発性硬化症や関節リウマチの治療薬の開発につながる成果。米科学誌ネイチャー・メディシン(電子版)に掲載された。   
 
 病原体など外敵が体内に侵入すると免疫システムが働き、外敵の情報をとらえて免疫細胞「ヘルパーT細胞」が作られる。三種類あるヘルパーT細胞のうち、Th1とTh17は病原体の排除に関係している。病原体侵入の際に作られるプロスタグランジンE2に注目。E2が結合する細胞表面の受容体のうち「EP4」や「EP2」に結合した際の作用を動物実験で調べた。   
 
 これらの受容体に薬剤を結合させるとTh1やTh17が多く作られる一方、受容体を持たない遺伝子改変マウスではこうした変化はなかった。E2にTh1への分化やTh17の増加を促す作用があるのが分かった。多発性硬化症のモデルマウスに、E2とEP4の結合を妨げる薬剤を投与したところ、脳の炎症が抑えられマヒが起こるのを防げた。マウス体内ではTh1とTh17の数が大幅に減っていた。   

 E2関連の薬剤は小野薬品工業などが所有している。薬剤を人に応用できれば、難病の多発性硬化症やクローン病などの症状を抑えたり進行を止めたりする治療法の実現につながりそうだ。
(2009/05/27 日経産業新聞)

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