2009年5月18日月曜日

インフル万能ワクチン、実用化へ共同研究

万能ワクチン・・・夢のような薬ですね。

抗生剤に効かない細菌が発現したように、遠い未来には万能ワクチンが効かないウイルスが出てきてそうですが・・・。

■国立感染症研究所の内田哲也主任研究官らは、様々なタイプのインフルエンザウイルスに効くとされる万能ワクチンの実用化研究に乗り出した。免疫研究で世界をリードする大阪大学の審良静男教授の研究チームが加わる。豚インフルエンザから変異した今回の新型インフルエンザには間に合わないが、動物実験で安全性や有効性を検証し、三年後をメドに人への臨床研究入りを目指す。

 内田研究官らは日油、埼玉医科大学、北海道大学と共同でこれまで万能ワクチンの基礎研究に取り組んできた。マウスを使った実験で季節性インフルエンザ(ソ連型や香港型)や鳥インフルエンザなどA型インフルエンザであればどのタイプにも一定の効果が出ることを確認した。新型インフルエンザについても解析された遺伝子情報から有効とみており、ウイルス株を入手でき次第、今後実験で検証するという。

 三年後の臨床研究入りを目指し、万能ワクチンの効果や安全性を高める補助薬(アジュバント)を開発する。阪大チームは異物が体内に侵入するとただちに働き出す自然免疫に関する研究ノウハウを提供する。武田薬品工業でワクチン開発を手がけた喜田宏・北海道大教授も参加する。

 現状のままだと、人間が持つ白血球の型によって効果が異なることがわかっており、実用化できたとしても二割の人には効かない。白血球の型に関係なく有効性が引き出せるように改良する。

 万能ワクチンはインフルエンザウイルスの内部に共通して存在するたんぱく質を認識、体の免疫細胞がウイルスに感染した細胞を攻撃するように仕向け、ウイルスの増殖を抑える。

 季節性インフルエンザなどに利用されている現行ワクチンは、ウイルスの表面にある特定のたんぱく質を認識して免疫細胞にウイルス自体を攻撃させる。表面たんぱく質が異なるとウイルスを見つけ出せず、効果が期待できないとされる。


 インフルエンザワクチンを巡っては、日本を含めて各国とも一定期間に製造できる量には限界がある。新型インフルエンザの出現で、季節性向けと新型向けとをどのような比率で準備するかが大きな問題として浮上している。世界保健機関(WHO)も十四日に専門家会合を開いたが、結論は先送りになった。

 万能ワクチンはどのタイプにも効くとされる半面、きちんとした予防効果は難しいとする見方もある。ただ、英国のグループなども研究開発に取り組んでおり、将来実用化されれば、インフルエンザ予防の大きな武器になると期待される。

(2009/05/18 日本経済新聞)

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