2009年2月24日火曜日

臨床検査基準値について

医療関係の仕事でよく目にする臨床検査基準値ですが、主に以下の3項目の生理的変動がありますね。

ご参考までにまとめてみました。

a 遺伝的要因

b 時間的要因

c 生活環境要因

「a 遺伝的要因」は、性差・人種・個人差。なかでも性差は最も一般的な要因で、個体間差の程度は他の要因よりも影響が大きく、検査値の解釈を困難にしています。

性差の大きい項目としては、主に以下のもの。

【男>女】(一般的に男の方が、値が大きいという意味です)

赤血球、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、アルブミン、尿酸、BUN、クレアチニン、総ビリルビン、γ-GTP、フェリチン、CPK、カテコールアミン、アドレナリン、腎機能

【女>男】血沈、ZTT、中性脂肪、IgM、IgD、クレアチン、GH、エストロゲン、黄体化ホルモン、プロラクチン

「b 時間的要因」には「年令・日内変動・季節変動・性周期」があります。年令の要因では、多くの項目で小児と成人に差があることが知られています。また、赤血球数・総蛋白・アルブミンなどは加齢にともなって低下し、γ-GT・ALT・ASTなどは上昇傾向を示します。内分泌機能も加齢と共に低下します。

<年令の要因で主な変動項目>

【幼児高値】ALP、AST、ALT、コリンエステラーゼ、カリウム(K)γ一GTP、サイロキシン、リンパ球比率

【幼児低値】血清タンパク、アミラーゼ、総コレステロール、クレアチニン

【老人高値】リン脂質、血糖、アミラーゼ、BUN、尿酸、クレアチニン、単球比率

【老人低値】総タンパク、クレアチニン、中性脂肪、コレステロール、総ビリルビン、ALP、Ch-E、AST、ALT、γ-GTP、赤血球数、Hb、Hct、血小板数

<日内変動の大きい主な項目>

【朝高・夜低】ヘモグロビン、ヘマトクリット、グロブリン、サイロキシン

【昼高】総タンパク、アルブミン、尿酸、カリウム(K)

【夜高】ALP、アミラーゼ<日差変動の大きい主な項目>ビリルビン、中性脂肪、血糖、鉄、BUN「c 生活環境要因」としては、主に食事・飲酒・喫煙・運動・体位があげられます。

【食事に影響される項目】 中性脂肪、血糖、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Ht)、白血球数、脂質上昇によるZTT、TTTの上昇、総タンパク量

【飲酒に影響される項目】 γ-GT、中性脂肪

【喫煙に影響される項目】 ヘモグロビン値、赤血球数の上昇(一酸化ヘモグロビンの増加による)

【運動に影響される項目】 過激な運動によるCK活性の上昇(個人差があるが、元に戻るまで1週間程度要する。)

【体位に影響される項目】 総蛋白(立位で上昇)



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