2009年6月30日火曜日

治験少年死亡問題:循環器病センターが最終報告書

代諾者(勿論のこと本人もですが)の同意取得を得ずに臨床試験を実施することは言語道断です。
新GCPの歴史が浅い"医療材・機器”で起こっていますが、認識を改めないと試験依頼者の会社としての信用自体も損なうことになります。

■国立循環器病センター(大阪府吹田市)で患者側の同意を得ないまま補助人工心臓の治験(臨床試験)が継続されていた問題で、外部委員らで作る事例調査委員会(委員長・上田裕一名古屋大教授)は26日、最終報告書を公表した。報告書は、治験に関する同センターの患者側へのインフォームド・コンセント不足や、術後管理や急変時における診療体制の不備があったなどと指摘。死亡した患者の遺族側は報告内容を評価したうえで「病院側は真摯に受け止めてほしい」としている。

 死亡したのは、拡張型心筋症で同センターに入院していた少年=当時(18)。少年は2007年春、未承認の補助人工心臓「エバハート」の治験で、器具の装着手術をした約2週間後に心肺停止になった。重い脳障害で意識不明になった少年に代わり、母親が治験の同意書に「理解(納得)することができません」と記したにもかかわらず、約1年間にわたり治験は継続され、少年は2008年春に死亡した。

 報告書では、治験を中止した場合について「医療チームの中で、具体的に検討された形跡はない」とし、「チーム内の誰も明確な認識を有していなかった」と指摘。そのうえで、中止した場合にどのような治療を受けることができるのかについて、治験継続の場合と比較して患者側に具体的に説明することが求められるとし、「センターの対応は不十分であったと言わざるをえない」と結論づけた。

 また、治験がすでに行われていた段階で、母親が継続について「理解(納得)することができません」と記したことについては「異常なことであって、将来的には再発が防止されるべきである」とした。

 さらに、少年の容体が急変した際の主治医が補助人工心臓の専門家ではなかったことや、同センターが日常業務でも診療の責任や分担が複雑な構造になっていたことを挙げ、「チーム医療の推進において、リーダーの存在が希薄であったと言わざるをえない」と指摘した。

 報告書について、センターの友池仁暢病院長は「提言を踏まえて、早い時期に具体的な再発防止策を整えたい」。厚生労働省政策医療課は「センターは内容をよく読んだ上で、正すべきところがあれば正してもらいたい」との見解を示した。
(6月26日 産経新聞)

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